塗装ムラや色違いは板金塗装後に発生しやすく、仕上がりの満足度を大きく左右します。これらのトラブルは塗装工程の不備や下地処理の不十分さが原因となることが多く、業者選びや確認作業が重要です。修理後の車を細部までチェックすることで、未然にトラブルを防げます。
塗装ムラが発生する主な理由は、塗料の吹き付けが均一でないことや乾燥工程に問題がある場合です。塗料の厚みが一定でなければ、光の反射が不均一になり、表面に違和感が生まれます。また、塗装作業中にホコリやゴミが付着することで、ムラが生じることがあります。塗装ブースが整備されていない業者ではこのリスクが高く、塗装後に気泡やザラつきが目立つことがあります。
色違いが起きるのは、塗料の調色が不適切な場合が多いです。自動車の塗装は経年劣化で少しずつ色味が変化していくため、新車時のカラーコードだけを参考にして塗料を作ると、既存の塗装と微妙にズレが生じます。熟練した業者は、光の角度や明るさを調整しながら現車に合わせて調色し、違和感のない仕上がりを実現します。
修理後の仕上がりを確認する際には、まず塗装面を光の反射で細かくチェックします。直射日光の下や蛍光灯の下など、複数の角度から確認することで、ムラや色違いが発見しやすくなります。ボディラインに沿って塗装面を目視することで、歪みや不均一さも見つけやすくなります。
塗装面に触れて確認することも大切です。塗装の表面が滑らかでない場合は、下地処理が不十分な可能性があります。手触りで違和感を感じる場合は、再修理が必要になることがあります。さらに、修理箇所の周囲と色味を比較することで、色違いがないか判断できます。
業者に仕上がりの確認を依頼する場合は、明るい場所で納車してもらうようにお願いすることが効果的です。暗い場所では細かい塗装ムラが見えにくいため、日中や屋外で最終確認を行うことが望ましいです。保証制度が整っている業者であれば、仕上がりに問題があった場合でも対応してもらえるため、依頼時に確認することが重要です。
板金塗装の仕上がりに差が出るのは、作業者の技術力だけでなく、使用する塗料や設備にも大きく影響を受けます。施工後のチェックを丁寧に行うことで、塗装トラブルを防ぎ、納得のいく仕上がりを得ることができます。